不正が報道された中での開催!今年の日展

第45回日展

毎年、多くの作品が集まる日本美術展覧会(日展)。今年は開催直前に不正に関する報道がありました。日展の歴史に触れながら、今年の日展ついてご紹介します!



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日本の美術振興を目指して!日展の誕生

まずは、日展の歴史についてご説明します。江戸時代は長期に渡る鎖国の後、国を開いて外国との交流を始めました。

欧米諸国の文化のレベルの高さは当時の日本の人々を驚かせ、これら国々と肩を並べるためには、産業だけでなく芸術文化のレベルを上げる必要があると皆が強く感じていました。

時は流れて明治33年。当時オーストリア公使だった牧野伸顕は海外の文化を自分の肌で感じ、ウィーンを訪れた文部官僚に公設展覧会を開催する意義を熱心に語りました。

そして、その夢が実現するのが数年後の明治39年です。文部大臣になった牧野はかねてより念願の公設展覧会を開催することを決め、翌年に第1回『文部省美術展覧会(文展)』が開かれました。

その後、『帝展』、『新文展』、『日展』と名称を変えつつ、現在まで長く続いてきました。


現在の日展の概要や開催情報のご紹介!

続いては、現在の日展についてご紹介します。日展の前身である文展が初めて開催された時は、日本画と西洋画、彫刻の3部制での開催でした。

しかし、昭和2年の第8回帝展から美術工芸分野を加え、昭和23年の第4回日展からは書が参加し、『総合美術展』の名にふさわしいものになっていきました。

日展の東京会場は99年間に渡り上野の東京都美術館で開催していました。日展100年目を迎える節目の2007年からは、六本木に開館した国立新美術館に会場を移しています。

11月1日から12月8日まで、毎週火曜日の休館日を除いて毎日開催されています。入場料は大人当日券で1200円ですが、16時以降の当日券は300円とお値打ちになっています。

また、11月11日は『日展の日』と称し、入場料が無料になります。東京会場展が終了した後には、全国の主要都市で巡回展が開かれ、多くの人で賑わいます。


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書の審査で不正が発覚!今年の日展は華やかさが消えた

先日、日展の『書』の分野において、入選数を有力会派に事前配分するという不正が報道されました。これを受け、西洋画や日本画を含む5部門すべてで最高賞の選考が中止され、文化庁の後援も取り消されました。

また、開会式のテープカットも中止となり、今年の日展は華やかさに欠けるものとなってしまいました。

この不正に対して日展は10月31日に外部の有識者を含めた調査委員会を設置しました。審査において問題がなかったかを調べ、1ヶ月程度で結果を公表する考えだそうです。

100年以上の歴史を持つ『日展』。今回の不祥事をしっかりと乗り越えて、来年は華やかさが戻ることに期待したいです。




下村文科大臣が迅速な調査求める 日展不正疑惑巡り(13/11/01)


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