蕨(ワラビ)の簡単なあく抜きの方法
山菜の1つとして親しまれている『わらび』。
最近では希少品になってしまいましたが、
わらびもちの原料としても有名です。
ワラビは毒性があるので生で食べることはできず、
あく抜きや塩漬けなどを行ってから調理しなければなりません。
ここでは、簡単なワラビのあく抜き法をご紹介しつつ、
ワラビの美味しい食べ方についてまとめていきたいと思います。
今年はワラビを食べて、
春の訪れを感じてみるのも良いのではないでしょうか。
毒性があるので、『あく抜き』や『塩漬け』の工程が必須
ワラビはシダ植物の1つとして数えられ、草原や谷地、原野などの日当たりの良いところに群生しています。
山菜の1つであり、春から初夏に
まだ葉の開いていない若芽(葉)を採取して食用にします。
その他に、根茎から取れるでん粉を
『ワラビ粉』として利用します。
ただし、気をつけなくてはならないのは
ワラビに毒性があるということです。
そのため、生のままでは食用にすることはできず、
あく抜きや塩漬けによって無毒化しなくてはなりません。
あく抜きしたワラビはおひたしなどにして
ワサビ醤油やポン酢、醤油マヨネーズを添えるなどして食べます。
一方、ワラビ粉を使った食品の代表的なものに、
わらびもちがあります。
わらびもちは夏の風物詩として親しまれていて、
一般的にきな粉や黒蜜をかけて食べます。
しかしワラビ粉を使ったわらびもちは
製造に手間がかかるため、
現在スーパーなどで見かけるものは、
サツマイモやタピオカのでん粉や、
くず粉を材料にして製造したものがほとんどです。
新鮮なうちにあく抜きをして、その後保存するのが◎
続いては、ワラビのあく抜きについて具体的なやり方をご紹介します。
そもそも、『あく抜き』とは食材を水に浸して、
渋みや苦味など食用には邪魔になる成分(あく)を抜くことを言います。
植物の場合は水溶性の栄養分や風味が
あくと一緒に抜け出てしまわないよう、
短時間であく抜きをする必要があります。
そこで、あくを抜きやすくするために、
水に浸す前に熱湯でゆでて組織を軟化させたり、
木灰や重曹を溶かしてアルカリ性にした水を使ったりします。
それでは、ワラビの簡単なあく抜き方法について
まとめたいと思います。
【用意するもの】
・わらび(新鮮なもの) 500グラム程度
・重曹(炭酸水素ナトリウム) 大さじ1
・大きめのなべ(ワラビが十分浸る大きさのもの)
・水(ワラビが水面から出ない位の量)
【手順】
■(1) お好みで、ワラビの根元の硬い部分と
開きすぎた葉の部分を取り除きます。
■(2) ワラビを水洗いします。
■(3) 大きめのなべにたっぷりの水を入れ、
火にかけます。
■(4) 沸騰したら重曹を入れ、
火を止めます。
■(5) 全体が湯につかるように、
ワラビを入れます。
■(6) そのまま一晩(半日ほど)置きます。
■(7) なべから取り出して水洗いをします。
※(7) の工程で水洗いを行ったあと、
輪ゴムで束ねておくと扱いやすいです。
※苦味が得意でない方は、
重曹を入れる前にワラビを煮ると良いでしょう。
ワラビを美味しく食べるために大切なのは
『あく抜きの良し悪し』と『塩加減』の2点です。
あく抜きが上手にできたかどうかを
判断するポイントについてお伝えします。
一般的に目安とされているのが『ネバリ』です。
上手に下処理ができた場合は、
切り口がトロッとしています。
そして、あく抜きしたワラビは
水に浸して冷蔵保存しても良いですが、
風味と食感が落ちてしまいます。
そのため、あく抜きしたワラビの水気を切って、
ビニール袋などに入れて冷凍すると便利です。
一般的な醤油和えの他に、マヨネーズ和えや天ぷらもオススメ
最後に、あく抜きしたワラビを美味しく食べる方法についてお伝えします。
【醤油和え】
あく抜き後、適当な長さ(5~6センチ位)に切り、
醤油やめんつゆをかけます。
お好みでしょうがやわさびを添えても美味しいです。
ワラビを味わうにはこの方法が一番オススメです。
【山菜そば】
切って温かい蕎麦に乗せるだけで、
田舎の味『山菜そば』の出来上がりです。
【マヨネーズ和え】
適当な長さに切って、マヨネーズで和えます。
気軽に美味しく食べられる方法です。
【天ぷら】
油を通すことで食べやすくなるので、
万人向きの食べ方と言えるでしょう。
あく抜きしたワラビを切り、
天ぷらの衣をつけて中温の油で揚げます。
シンプルに塩で食べても良いですし、
レモンを添えても美味しいです。
【炒め物】
こんにゃくや油揚げと一緒に炒めます。
ワラビ自体に味はあまり染み込みませんが、
油揚げに味がしっかり入るのでバランスが良く美味しいです。
【味噌汁】
独特のネバリが楽しめるので、
普段の味噌汁とは一味違った食感になります。
このように、ワラビの食べ方はたくさんあります。
新鮮なワラビが手に入ったら、
あく抜きをした後に美味しく調理してみてくださいね。