岩牡蠣と真牡蠣の違いは?旬は?殻の開け方をご紹介!

牡蠣は冬の食べ物というのが一般的なイメージですが
これから夏に向けておいしくなっていく牡蠣があります。

ご存知ですか?

岩牡蠣です。

出荷できる状態になるまでに
3年かかるとも言われている岩牡蠣。

海の中でじっと大きくなる様子を見ていると
かわいらしさも感じますよ。

記事の最後に、殻の開け方の動画を付けました。

Sponsored Links

岩牡蠣とマガキ(真牡蠣)

一般的な牡蠣を、「マガキ(真牡蠣)」と言います。
マガキの旬は冬です。冬場の鍋料理には頻繁に登場しますね。
カキフライももちろんおいしいです。

夏場は産卵期に入り、身が痩せておいしくなくなります。
またあらゆる菌の繁殖が起こる時期なので
食中毒の危険が大きくなります。

聞いたことありませんか?
“r”のつかない月に、牡蠣を食べてはいけないという英語圏の言い伝えを。

May June July August
5月から8月までは食べると危ないよということです。

11月ごろから産卵前の3月くらいまでがもっとも身が大きく
栄養をたっぷりもっています。


一方、岩牡蠣は別名夏ガキ」と言われています。
味は濃厚、夏にむけてだんだんおいしくなります。

ぷりぷりの卵の部分を味わうのが特徴です。

また通常1年で出荷できるマガキに対し
岩牡蠣は出荷までに2年から3年もかかります。

この間、岩牡蠣は海の中のプランクトンをたっぷり食べて
肉厚になっていきます。

さて、岩牡蠣が私たちの食卓になじむようになったのは
ここ20年の話です。

漁獲するには深い潜水技術が必要だった岩牡蠣ですが
平成4年、島根県隠岐郡の養殖場で人工採苗により養殖が初めて成功し
それ以来各地でも養殖が盛んになってきたのです。





岩牡蠣ができるまで

牡蠣は、二枚貝です。

海にうみだされた卵は、2週間ほど海中を泳ぎ
植物プランクトンを食べながら漂います。
このときは肉眼では見えません。

0.2mmほどの大きさになると、岩などに付着します。
これを活かして生産していきます。

種苗生産という方法です。

養殖での岩牡蠣

養殖でも基本は同じです。

岩牡蠣の産卵は8月から10月ごろ
この産み落とされた卵は浮遊生活を送った後
あらかじめ下げておいたホタテの貝に付着します。

このホタテ貝殻をロープにはさみ
海の「イカダ」に垂直におろします。

このとき稚貝の大きさは目で見える程度になっているわけです。
ここから3年間成長を待ちます。

その間、もちろんほっておくわけではありません。

ホタテの汚れはないか。
稚貝が多すぎて、各々の成長が妨げられてはいないか。
多いと判断されたら、よりわけを行います。

養殖業者の人たちは、日々わが子のように牡蠣を育てているのです。

次に養殖の発祥の地を見ていきましょう。

「隠岐のいわがき」

島根県隠岐郡西ノ島、ここから岩牡蠣の養殖が始まりました。
この西ノ島は、島前諸島の中にある一つです。

周辺には中之島、知夫里島などがあり、起伏の激しい
入り江の多い地形の島があるため、沿岸漁業に適した地域です。

このあたりは河川がほとんどなく、山の水はそのまま伏流水となり
海にやってきます。

この水は「適度な生物生産を有する」とのことで
これも牡蠣の養殖に適している一因です。
まさに宝の海ですね。

ここから、貝の精巣と卵巣を取り出し受精させ、
受精卵を育て・・という種苗生産へのトライアルが生まれました。

養殖に携わっている人々、水産技術センター、自治体、関連施設が一体となって
海の浄化や衛生管理、種苗生産の研究などを進めた結果、高品質で安全な
隠岐のいわがき」というブランドが確立したのです。

今では年間数十万個の岩牡蠣を出荷しています。

おいしい食べ方

岩牡蠣は自然と科学技術と人々の愛情から生まれた
いとおしい食べ物だということがわかりましたね!

せっかくなので、おいしくありがたくいただきたいものです。

産地や鮮度のはっきりした岩牡蠣は
そのままポン酢やレモンで食べるとおいしいそうです。
きっと濃厚な味を楽しめることでしょう。


iwagaki


生で食べる自信がない時はバター焼き
最後にポン酢をたらすのがおいしいそうです。

ノロウイルスは85度以上の熱で1分以上加熱すれば不活性化するそうです。

岩牡蠣ひとつをとっても、そこへ向かう人々の愛情の深さは
まさに海よりも深いものですね!

この夏、ぜひそんなかわいらしい岩牡蠣を食べてみたいものです。




スポンサードリンク





こんな記事もあります