ノーベル物理学賞を受賞したヒッグス粒子とは何なのか
2013年ノーベル物理学賞は、ヒッグス粒子の発見に決まりました。
今年のノーベル物理学賞を受賞したピーター・ヒッグス。
ヒッグス粒子の発見が評価されての受賞でした。
実験でいち早く成果を出した、東京大学の浅井教授らのグループが、
受賞に大きく貢献しました。
このヒッグス粒子とは一体何なのでしょうか。
簡単に説明します。
多くの物理学者を悩ませてきた問題を解決する糸口
ヒッグス粒子とは、ヒッグス機構において現れるとされる素粒子のことです。質量はどのような仕組みで発生するのか、
整合性を説明できるのかという非常に難しい問題への解決案として
ピーター・ヒッグスは1964年にヒッグス気候という理論を提唱しました。
この理論はあまりにも複雑で難解なため説明は割愛しますが、
理論の証明のためにはヒッグス粒子を実験的に見つけることが必要でした。
ピーター・ヒッグスはなんと48年かけてようやくヒッグス粒子の発見に成功したのです。
発見までの経緯
ヒッグス機構が正しい理論なのかどうかを検証するため、長年にわたって様々な科学者による実験が行われてきました。
しかし、理論的に計算すると、高度な技術を用いた実験でも
10兆回に1回しか生成されないほどの発見率の低さのため、
48年もの時間がかかってしまったのです。
2008年にCERNが建設した世界最大の衝突型加速器、
LHCが稼働され、発見が期待されていました。
2011年にヒッグス粒子が垣間見られたと発表され、
ついに2012年、新たな粒子が発見されました。
しかし、その粒子がヒッグス粒子であるかどうかはまだ不明で、
より精度を高めて実験が繰り返されました。
2013年3月にCERNは、新粒子はヒッグス粒子である、
と発表し、48年がかりで理論が証明されたのです。
我々の生活に影響はあるのか?
ヒッグス粒子の発見によって我々一般市民が恩恵を得るということはしばらく無さそうです。
とにかくすごい発見があったんだなぁと思っていれば問題ありません。
しかし、物理学が大きな発展を遂げる第一歩となることは確実です。
今後様々な理論がヒッグス粒子の発見によって証明されていくことが予想されます。
その中には人類の生活を豊かにするものも
含まれているかもしれないのです。
ロマンのある話です。
ピーター・ヒッグスが人生をかけて発見したヒッグス粒子。
氏の人生は非常にドラマ性に冨んでいます。
いつまでたっても発見されないことへのいらだちと歯がゆさは想像に難くありません。
異例のスピードでのノーベル賞受賞は当然だといえるでしょう。