フィギュアNHK杯 シングルの見どころは?
11月8日(金)から10日(日)まで、2013フィギュアNHK杯が開催
年明けのソチオリンピックが目前にせまっていることもあり、ひときわ注目度の高い大会になることは間違いありません。
NHK杯出演予定者、注目は?
男子シングル 無良崇人 織田信成 高橋大輔女子シングル 浅田真央 鈴木明子 宮原知子
ここでの注目は、現役高校生の宮原知子選手です。
記者会見でも浅田、織田、高橋選手に囲まれてひときわ小さい印象がありましたが、そのスケーティングを見ると、並々ならぬ芯の強さと可能性を感じます。
彼女の演技をみていると、96年の長野オリンピックでの、タラリピンスキーとミッシェルクワンの戦いが彷彿としてきます。
あの、難度の高い3回転ジャンプをどんどん決めつづけ、審判や観衆の心を鷲づかみしたのがタラリピンスキー。そしてその後さっさとプロに転向してしまったので、なおさら記憶に焼き付いています。
ところが人々に深い感動を与えたのは、ミッシェルクワンでしたね。
長野でも、ソルトレイクでもついに金メダルを取ることはできなかったので、美しき敗者とも悲運の女王とも言われています。
彼女の柔らかい動き、気高い演技は今もなお話題になりますよね。
宮原選手には、この両方の女王のよさを感じます。
正確なジャンプと、いつでも気品のあるスケーティング。
幼いころ米国で暮らしていたというのも無関係ではないでしょう。
彼女の強みは丈夫な体。そしてとにかく練習をするということだそうです。その成果がどのくらいでるか、楽しみです!
ラフマニノフのジンクスは、やぶれる!
さて、浅田真央選手のフリープログラムの曲目は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番です。ロマンチックなメロディ、それでいて重厚なピアノとオーケストラのサウンドは、いつ聴いても胸があつくなります。
日本の歴代の名選手たちもこの曲を使ってきました。
伊藤みどりは、アルベールヒルオリンピックで銀メダル、
村主章枝はトリノオリンピックで第4位、
名前を見ただけで、映像とともに、彼女たちの情感こもった渾身の演技がよみがえってきませんか?
そうです。この曲を使うと歴史に残る名演技になるといわれています。
そしてこの曲を使うと、名演技ではあるけれど決して一位をとれないというジンクスもあるのです。
ただ、今期の浅田真央選手は、このジンクスを破れそうな気がします。
「自分の集大成である」と言い切ったこの時期に、この曲を選択。
まさに絶好のタイミングなのかもしれません。
高橋大輔にはバイオリンが似合う!
もうひとつの注目は高橋大輔選手のショートプログラムです。最近注目を集めている作曲家、佐村河内守のバイオリンのためのソナチネ。
悲痛な叫びのような、あきらめようにもあきらめられないような、そんな旋律の曲です。
初めて高橋大輔選手がこの曲で演技したのをみたとき、意外にもしっくりきていたので驚きました。生々しいといっていいくらいの強烈なバイオリンの音色と、今の彼の持つ雰囲気がぴったり合わさったのです。
フリープログラムはビートルズメドレーです。
これもこれでいいのですが・・。
バイオリンとビートルズ、どちらのサウンドが彼に似合うかを、周りの人たちと議論しても楽しいですね。本人からしたら大きなお世話ですけど・・!
織田信成はウィリアムテルになれるか?
9月のネーベルホルン杯では一位となり、確実に調子が上がっています。昨年の魔法使いの弟子も素晴らしかったです。
キャラクターを演じきれるのが彼のよさでもあります。彼の独特の世界観を堪能したいです。
このNHK杯からいよいよ、ソチオリンピックへのシーズンが始まります。
まずは自分なりの楽しみ方で、選手たちをそれぞれ応援しましょう!