「古武道」明治維新以前に成立した武術の歴史

あなたは「武術」と聞いてどんなものを思い浮かべますか?
武術とは剣や弓、槍など戦闘に必要な技術を指す言葉です。

この言葉の指し示す範囲は非常に広く

日本の伝統的な武術である「古武道」
独自の進化を遂げた「沖縄武術」
「中国武術」

などを総称しています。

ここでは、日本に古くから存在した古武道について
誕生から衰退までの軌跡
現在の状況

などについてまとめていきたいと思います。


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「現代武道」と区別して呼ばれる「古武道」

「武術(ぶじゅつ)」とは剣や弓、槍などの戦うのに必要な技術のことです。

日本の伝統的な武術である「古武道(こぶどう)」。
琉球王国時代に独自発展した「沖縄武術」。

その他「中国武術」などを包括的に示す言葉であり
徒手によるものは「格闘技」とほぼ同義で使われることが多いです。

ここでは、日本の古武道の歴史について
まとめていきたいと思います。

古武道とは、日本の伝統的な徒手もしくは鈍器や刃物
火器などの武具の使用法や、水泳、乗馬など戦闘に関わる技術を
体系化したものを総称する言葉です。

「古流武術」や「古武術」とも呼ばれます。
反対の言葉として「現代武道」があります。

古武道という言葉を使う際
明治維新以前に成立した武術を指すことが多いです。

室町時代から剣術、柔術、弓術、砲術などが
それぞれ様々な流派として技術化、体系化されていきました。

明治時代以降武道という総称が確立。

現代武道と明確に区別する場合に
古武道という言葉を用いるようになりました。




 

日本における2つの武道の違いとは何でしょうか?

現代武道人間形成と体育的見地からの心身の鍛錬を目的とし
スポーツ的な競技試合を重視して技術の体系を構築しています。

一方で古武道は基本的に試合での勝敗を目的とせず
合戦・決闘・護身や武士としての使命を果たすための鍛錬が目的
とされていました。

そのため、危険性から現代武道では除かれた技法や
各種の隠し武器などが含まれています。

明治維新後は武士階級の廃止や近代兵器の導入により
戦闘技術としての役目を終えることとなりました。

そして、現代では伝統芸能や文化財として価値を認められ
都道府県や市町村の無形文化財に指定されている流派も少なくありません。


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弥生時代にはすでに、剣などの武器が存在

古武道の誕生から現在に至るまでの歴史
についてまとめていきたいと思います。

数々の流派が誕生していったのは室町時代からですが
武道自体は古代から存在していました。

鎧や剣、矛などの弥生時代の出土品や
『古事記』・『日本書紀』などに剣や矛、刀などの記述があることから
このころすでに何らかの武術は存在していたと考えられています。

平安時代の文献には「古布志宇知(こぶしうち)」という
武術名が記載されています。

権力の中心が貴族から武士に移った鎌倉時代。
このときは弓道が武士の道として必須のものでした。

そして、室町・戦国時代には陰流神道流念流という
いわゆる「兵法三大源流」が興りました。

そして、それらの影響を受けて数々の流派が派生し
一挙に剣の道が広まっていきました。

柔術系としては竹内流が成立したとされています。

江戸時代にも多くの流派が発展していき
19世紀になると、全国で武者修行や他流試合などが流行し始めました。

そして、武術の道場は学問所と同様に
ある意味「サロン」のような役目を果たすようになっていきました。







現代では、少しずつ形を変えながら古武道を保存

明治時代になると、現代武道が誕生します。

明治維新の後に武士の身分が廃止され、廃刀令などによって
武術は時代遅れ」とされて衰退していきました。

1882年(明治15年)、嘉納治五郎は新しく「柔道」を創設し
嘉納の思想が後の武道家に強い影響を与えました。

1895年(明治28年)には各種武道の総本山となる
大日本武徳会が設立

日本の武道界を統括するようになっていきました。

これによって多くの地方流派が加盟して剣道や柔道を取り入れ
伝来の形、口伝、掟などの伝承が徐々に失われていきました。

昭和に入ると太平洋戦争によりいろいろな流派で
継承者の戦死が相次ぎ伝承が途絶えました。

1945年(昭和20年)にはGHQの指令によって大日本武徳会は解散し
武道の組織的活動は禁止されました。

これによって武道は戦闘技術色を払拭した『スポーツ』として
復興を図ることとなりました。

現代に伝承されている古武道は、古式の形態を守りつつも
時代にあわせて変化している例も多く見られます。

中には現代武道化したところもありますが
現代においても様々な形で受け継がれています。

また、日本古武道協会など古武道の保存や振興を目的とした組織があったり
古武道を無形文化財に指定して保存を図ったりすることも行われています。



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