プロ野球統一球問題って何?2013年に何が起きたのか?
統一球は「違反球」?統一球問題はなぜ問題になったのか。
2013年の野球界はいろんなことがありました。そのほとんどは輝かしいもので、バレンティンのシーズン本塁打記録更新などですね。
残念だったのはWBCですね。準決勝敗退。残念でした!しかし、もっと残念なことがあったのです。全てのプロ野球選手、全てのフロント、全てのファンに対する冒涜行為が2年間にわたって行われていたことが発覚したのです。そう、統一球問題です。
そもそも、なぜ統一球に?
加藤良三コミッショナーは就任当初から統一球導入に全力で取り組んでいました。というのも、統一球が導入される以前は球場ごとに使用しているボールが異なっていたのです。飛ぶボール・飛ばないボールが混在し、球場ごとに成績が大きく異るチーム・選手がたくさんいたのです。これは以前から問題視されていて、加藤コミッショナーは平等な成績が記録されること、さらに当時2連覇中のWBC仕様球に対応するために統一球を導入しようとしていたのです。これは素晴らしい取り組みでした。そして2011年から統一球が導入されることになったのです。
では、何が問題になったのか?
統一球の大きな問題は、あまりにも飛ばないことでした。2011年、2012年の成績は過去とくらべても異常なほどの投高打低で、防御率1点台の投手が続出し、日本人野手は西武の中村選手を除いて30本台になかなか達しないほどの、はっきり言って異常事態だったのです。
現場の選手・コーチたちもあまりに飛ばないボールに苦戦し、成績がガタ落ちしたことで引退を決意したソフトバンク・小久保選手のようなケースが出ました。統一球は選手の人生を大きく動かしたのです。
2013年、何が起きたのか
ところが2013年のシーズンが開幕すると、2010年までほどではないが、過去2年と比べると打球の飛距離が伸びるようになったのです。去年までなら外野フライだった打球が文句なしのホームランになるのでした。これには野球に関係するすべての人が疑問に思い、選手会はコミッショナーに詳細を求めましたが、去年までと違いはないと言い張ったのです。しかし、6月になって突然、過去2年間使用された統一球と今年使用されている統一球が違うこと、今年のボールは2010年まで使用されていたものよりは飛ばないものの、過去2年間使用されたボールよりも飛ぶこと、過去2年間使用されたボールは野球規約が指定する反発し数を大幅に下回る「違反球」であったことが判明したのです。
コミッショナーはトンズラ、責任は誰が?
今月、加藤コミッショナーは責任を取る形で辞任しました。多くの選手の人生を狂わせ、野球をつまらなくした違反球の詳細はおそらくわからないままでしょう。NPBの陰湿な体質が浮き彫りになったこの問題を糧に、次世代NPBは強くならなければいけません。指揮力のあるコミッショナーの就任が待たれます。