ガラケー、ガラパゴス携帯などのガラパゴスとは?
最近、各メディアで『ガラパゴス化』や、『ガラパゴス携帯』、
『ガラケー』などの言葉を耳にする機会が多いと思います。
ここで使われる『ガラパゴス』という言葉は、
ダーウィンの進化論と関係が深い『ガラパゴス諸島』が由来になっています。
ここでは、まずガラパゴス諸島について触れたのち、
現代において『ガラパゴス』という言葉がどのように使われているかについて
ご紹介していきます。
独自の進化を遂げた生物が多数生息している島々
ガラパゴス諸島とは、東太平洋上の赤道下にあるエクアドル領の諸島を指します。正式名称は『コロン諸島』であり、
『コロンブスの群島』を意味しています。
島々には約2万3千人が居住していて、
主要言語はスペイン語となっています。
1978年に世界遺産(自然遺産)として登録されました。
さて、島は『大陸島』と『海洋島』の2種類に分けることができます。
海洋島とは部分的に火山活動で生じた高い山が、
島として海上に顔を出している島のことです。
ガラパゴス諸島は海洋島であり、
大陸と陸続きになった歴史を持っていません。
このため、各大陸では見られないような、
独自の進化を遂げた生物が多数存在しています。
ガラパゴス諸島は『進化論』で知られるダーウィンとも関係が深いです。
測量船ビーグル号に乗り、
進化論の着想を得ることになった航海においてこの島を訪れました。
島には彼を記念した研究所である『チャールズ・ダーウィン研究所』が1964年に開設され、
現在においても野生生物の保護や調査に当たっています。
最近では、日本のビジネスにおいて批判的な意味で使われるようになった
大陸から隔絶していたため、生物が独自の進化を遂げた『ガラパゴス諸島』。
日本では、この名前を用いたビジネス用語が生まれ、
2007年ごろから広く使われるようになりました。
『ガラパゴス化』とは、周囲とはかけ離れた独自の進化をすることを指し、
特にIT技術やインフラ、サービスなどが
国際規格とは異なる方向性で発達することを指します。
また、『ガラパゴス現象』と呼ぶこともあります。
それでは、ガラパゴス化についてもう少し詳しく見ていきましょう。
『野村総合研究所オピニオン』では以下のように定義しています。
■(1)日本国内には独特な環境(高度なニーズや規制など)に基づいた
財・サービスの市場が存在する
■(2)海外では日本国内とは異なる品質や機能の市場が存在する
■(3)日本国内の市場が独自の進化を遂げている間に、デファクトスタンダード
(『事実上の標準』の意味)の仕様が決まる
■(4)気がついた時には、世界の動きから大きく取り残される
この定義を、同じ野村総研が製造業分野向けに解釈し直し、
さらに書籍『ガラパゴス化する日本の製造業産業構造を破壊するアジア企業の脅威』
(2008年)が出版されたことにより、一般的になりました。
スマートフォンの台頭により『ガラケー』市場は縮小
『ガラパゴス』という言葉が現在最も使われているのは、携帯電話に関してのことだと思います。
『ガラパゴス携帯(ガラケー)』とは日本独自で出回っている携帯電話を指します。
スマートフォンの台頭により、
店頭でもほんの少ししかガラケーは置いてありません。
では、どうして日本の携帯電話がこんな進化を遂げたのでしょうか?
それは、通信方式との関連が一番大きいと言えるでしょう。
通信方式が世界標準でなかったため、
日本には海外の携帯電話があまり入ってきませんでした。
そして、日本の携帯電話も、
海外に向けて積極的に販売をしようとはしませんでした。
そのため、海外のことは考えず、
日本市場だけを見て売るという結果になったのです。
だからこそ、『絵文字』や『オサイフケータイ』、
『ワンセグ』などの独自の進化を遂げたのです。
ガラケーは世界標準から外れてはいますが、
決して『機能が劣っている』という訳ではありません。
最近ではイメージが悪い『ガラケー』に代わる言葉として、
従来型の携帯電話を『フィーチャーフォン』と呼ぶことが多くなりました。
また、最近ではガラケー復権の兆しも少しずつ見えてきています。
スマートフォンに代えたものの、『使いこなせない』、『料金が高い』、
『電池持ちが悪い』などの不満から、ガラケーに戻す人も最近では出てきています。
NTTドコモの加藤薫社長は、10月10日の冬春モデル発表会で、
『iモード携帯(ガラケー)も毎年出していきます』と宣言しました。
私は携帯電話に求めるものが少なく、電話やメール、
電卓やアラームがあれば十分だと思っています。
そのため、ガラケーが市場から姿を消すその日まで、
使い倒そうと思っています。