現代のワンダーランド赤羽霊園とは? お化け屋敷居酒屋
「東京都北区赤羽」清野とおる著
その名の通り、東京都北部、埼玉県境にある赤羽を
内側から紹介した漫画です。
携帯漫画から始まり、口コミでじわじわと人気が広がっていき
今では赤羽で一番大きな本屋ブックストアでは
平積みで大量に置いてあるということです!
ここに紹介されている居酒屋「赤羽霊園」とは、どんな店なのでしょうか。
せっかくなので学生時代の友人と行ってきました!
外観
JR赤羽駅を降り、赤羽中央街を歩いていくと、その居酒屋は見えてきました。(東京メトロ南北線、赤羽岩淵駅からの方が近いです。)
このあたりは、地元商店街と飲み屋街が同居しているので
全体的に昼とも夜ともいえないおもしろい雰囲気がただよっています。
ビルは少なく、木造モルタルの二階建ての家が並んでいます。
昼間はしまっている店が多いので、一本裏道を歩くとかなり静かです。
そんな通り沿いに、赤羽霊園はありました。
がいこつが垂れ下がっている外観。
看板には「赤羽霊園」とあります。
近くには「居酒屋 一人2500円 飲み歌い放題 つまみ付き」
そして、「のぞき見一人 1000円かかります」との注意書きが!
ここからすでにワンダーランドです。
「いらっしゃいませ」の声に引かれるように入店しました。
店内
店内はスナック風で、天井から明らかに何かしかけのようなものがあります。何されるんだろうと緊張が・・。
案内された席にはお化けがぶら下がっていて、いきなり落ちてきました。
落ち着きません(笑)。
そして壁一面ががいこつです・・。
それでもよく見ると、カウンターの奥にひものようなものが見えました。
どうやら店側がそれを引っ張っている仕組みのようです。
しかけがわかると少し安心ですね。
塔婆のような壁のメニューには、
「ぬりかべ」「髪の毛」「チ○ポコ」「さなだ虫」など。
どれを頼もう・・。どれも頼みたくないような・・。
ここまででお分かりのように、小さい子供のいる家族や
素敵ママ友さんと行くには、限りなく向いていない場所のようです。
自分の精神時間を一気に20代前半に戻して
ワンダーランド体験を始めました。
しかけ
食事の間も、天井から生首が落ちてきたり急に物音がしたりと何かと落ち着きません、いえ、飽きませんの方が正しいですね。
ただそれでも慣れてくると、こちらも20代にもどっているので
他校の学園祭のお化け屋敷にいるような
そんなわくわく感も出てきました。
店主も奥さんも若く、お手伝いの子供も小学生くらいのようで
家族的な雰囲気を感じました。
こんな風に油断していると突然髪の毛の束がばさっと落ちてくるので
悲鳴をあげてしまうのですが、酔いと雰囲気に任せているうちに
だんだんわけもわからず笑いが止まらなくなってきました。
そして「チ○ポコ」は、フランクフルトでした!
感想
常連さんとおぼしき人(飲み屋のねえさんとそのお得意さんのような人)がいろいろ話していて、それを小耳にはさむのものもおもしろかったです。
また、カラオケマイクをはずさない独特な声の方もいました。
それでも全体として、雑然としつつもなごやかな雰囲気。
常連が通う店特有の排他的な部分は感じられませんでした。
通っているうちに、がいこつたちはさほど目に入らなくなり
純粋に店の雰囲気を味わうために
店主の顔をみるために行きたくなるのでしょう・・。
結局2時間弱たって、何とも言えない達成感で店を後にしたのでした。
数日するとまたあの雰囲気が恋しくなりました。
最近の風潮なのか、今の子育て、家族中心の環境にいるせいなのか
今は何事にも「正しさ」を求められているような気がします。
一度正しさからはずれたことをすると、ネットでばんばんたたかれ
ぼろぼろになるまで罵詈雑言を浴びせかけられます。
窮屈さをかんじたことはありませんか?
赤羽霊園には一般的な「素敵なもの」は見られませんでした。
でもおおらかで、何事も楽しむ気持ち、
なによりも同じ空間にいる人同士の
奇妙な連帯感のようなものであふれていました。
「清き川に住みかねて」
そんな人は一度、赤羽霊園に行ってみることをおすすめします。
でもやはり、ママ友さんとは行けません(笑)
清野とおるの世界
赤羽にはほかにも、このお店かそれに負けないくらいのインパクトを持つ店や人がたくさんいるようです。
ぜひ「東京都北区赤羽」を読んで
そのディープな世界にふれてみてください。
私も久しぶりに漫画を読み
「おもしろく生きる」感覚を思い出しました。
ワンダーランドをぜひ体験してみてくださいね。
赤羽霊園
住所:東京都北区赤羽1-35-8
TEL:03-3902-5060
定休日:日曜
営業時間:19時〜翌3時